宮本君はとても緊張していた―「ち、ち◌○○く!!」―
小学生の頃、同じクラスに宮本君という男の子がいました。
割と頭のいい子で、あるとき彼はクラス委員に選ばれました。
クラス委員の役割は、朝一番の授業の前に、挨拶の号令をかけることから始まります。
いわゆる「起立!礼!」というあれです。
宮本君は、これをやるのが初めてのことでした。
そのとき彼は、極度の緊張状態にあったのです。
「き起立っ!礼っ!」・・・・
と、ここまでは無事すみました。
このあと、「着席!」を言わなければなりません。
「着席」と号令して、朝の一連の挨拶は終わります。
ところが、宮本君は極度の緊張のせいか「着席」という言葉がとっさにわからなくなってしまったのです。
そして彼は迷った末に「ち、着陸!」と言ってしまいました。
「ち、着陸!」・・・
教室が爆笑のうずに包まれたのはいうまでもありません。
宮本君は、確か性格もいい奴だったと記憶しています。
優しい男の子でした。
あの時はきっと、すごく恥ずかしかったに違いありません。
もう、50年以上昔のできごとになります。
宮本君はどうしているでしょうか。
まあ、私みたいにそこそこじじいになっていることでしょう。
さっき、みかんを食べていたら、ふと思い出したので書いてみました。
遠い昔のことさぁ~♬