困った「依存症」の原点は・・・―昔はお勉強のできる子だったのだが・・もと秀才の行方―Ⅳ(おまけ)

その年の卒業生を送る在校生代表として、男の子と女の子それぞれ一人ずつ選ばれた小学1年生当時の私とひらはらより子ちゃん。

ただ彼女と並んで出席できるというだけで「ウヘウヘ」喜んでいた私に比べて、キリッとしっかり自分の役割について心得ていたのが、ひらはらより子ちゃんその人でありました。

 

考えてみればこのときが、その後カミさんや事務所のナンバー2の女性税理士をはじめ、私を取り巻くいろんな女性陣に頭があがらなくなった最初のきっかけであったような気がします。

その彼女たちには、日常的に次のようにいろんな苦言を言われ続けているのであります。

 

例えば、カミさんには、いつも

「あなたはいつも自分の尺度だけでものを考えるから、他人(ひと)の考えていることがちっともわからないのよ。もうちょっと相手のレベルを見て考えるようにしなさいよ。」

といわれます。

 

また、女性税理士には、しょっちゅう

「所長!夢みたいなことばかり追っかけていないで、もっとちゃんと足もとを見てください。事務所の現状はいろいろと大変なんですから・・」

といわれる始末であります。

 

単に頭が上がらないというだけではありません。

私の場合、彼女たちがいてくれなければ、家庭も仕事も全く立ちいかなくなるくらい、大変な依存度なのであります。

 

この或る意味困った「依存症」は、遠い昔、あのひらはらより子ちゃんに怒られたときから始まっているのかも知れないなあ、と思うことがあります。

あれが私の「依存症」の原点だとすれば、「因果なものだ・・・」と、とても感慨深いものがあるのです。

 

まあ、あれから60年以上経ったけれど、あのしっかり者のひらはらより子ちゃんはどうしているのだろうか、と気になります。

考えてみれば、あれが初めてのかすかな初恋のようなものであったのかも知れません。

 

でも、あの賢いひらはらより子ちゃんは、こんなアホな俺のことなどこれっぽっちも覚えていないだろうなあ・・・

 

 

本当におしまい