何を迷うことがありましょう!!―人生相談、自分に気付いていない人の「場」なのか?!―Ⅵ

自分の夫のことを、学歴が低いだの、収入が少ないだのと散々こき下ろして、「そのおかげで私の価値まで下がる。」と訴える今回の人生相談。

あげくの果てに、

「どうしたら幸せを感じられるのでしょう。やはり離婚するのがいいでしょうか。」

と結んでいる。

この、「とんでも人生相談」に、女性ライターの最相葉月さんはどうこたえられるだろうか。

 

彼女回答は、いつも切れ味が鋭く、胸のすくようなものが多い。

今回はどのように料理されるだろうか。

まあ、料理のし甲斐のありそうな相談である。

 

最相葉月さんの回答は、冒頭次のように始まっていた。

― 離婚されたらよろしいんじゃないでしょうか。

あなたは働いていらっしゃるし、将来も比較的安定した収入も得られますよね。

幸せを感じられないどころか、自分の価値を下げてしまうような相手と同じ家で暮らし続けるほど、苦痛なことはありません。

何を迷うことがありましょう。

 

まずは思った通りであった。

「離婚されたらよろしいんじゃないでしょうか。」・・・・・

私でもそう回答するだろう。

 

そして、この女性相談者の収入のことに触れている。

ここは大事なところである。

 

ここは大事なポイントである。

今までの女性の相談で、必ず問題になるのは、ここの点であった。

 

よくまあそんな夫とこれまで暮らしてきたものですね、といった相談内容だったとしても、経済的に自立できなければなかなか離婚には踏み切れるものではない。

回答も

「まず、経済的に自立する準備を密かに進めてから・・・」

といったものが多かった。

 

しかし、今回の女性相談者は既に公務員というポジションを確保している。

「離婚すると、今よりは生活レベルが下がって、デメリットも多いので踏みきれない。」

と、まあ傍から見れば随分勝手な理由を述べている。

 

最相葉月さんが

「収入もあるんだからとっとと離婚しなさいよ。」

とおっしゃるのも無理はないという気がする。

この女性、ご主人のことをここまでこき下ろしていながら、「デメリットもあるしなあ・・・」と、あくまでも「計算」をしているのだ。

 

 

つづく