やはりお直し代がかかりまして・・・―コート、コート、コート・・・続き―Ⅷ
長い間探し続けていて、偶然ポロ・ラルフローレンのショップで出会えたドンピシャ私好みのダッフルコート。
想定していた価格よりもかなり高額なものになったが、自粛生活が長く続いていた中で、特に無駄遣いする機会もなかったので思い切って購入することにした。
ただ、外国仕様のそのコートは袖丈が私には少し長すぎた。
やや高額で定価購入のそのコートは、お直し費用も掛からない、という店員の説明だったのでそれもお願いし、後日送ってもらう手続きを終えて店を後にしたのである。
さて、鹿児島に帰り、ダッフルコートを着るにはまだ早い季節だったとはいえ、届くのを心待ちにしていた。
ところが約束の日にちになっても、件(くだん)のコートは届かない。
『おかしいな?!?』と思っていたら、購入した日に接客してくれた店員の男性から電話が入った。
「あのう、誠に申し訳ありませんが・・・・」
と、やや暗い声である。
『どうしたのかな?』と思っていたら、
「あのう、お直しの件なのですが、実は袖丈(そでたけ)の場合、やはり実費がかかるということで、そのご費用をご負担願えないかと・・・」
言いにくそうにモゴモゴしゃべっている。
あのときは、彼の方から
「お直し代はかかりませんから・・」
と、こちらから聞いたわけでもないのに、そう言ったのである。
しかし、かかるものは仕方がない。
「あのとき、かからないといったじゃないか!」
と、今さら咎めたところでどうなるものでもない。
「そう、わかった。じゃどうすればいいの?」
と聞いた。
すると
「あの日、お支払いいただいたカードのデータで決済できますが・・」
と彼。
私は
「わかりました。ではそれで決済してください。」
と返事をして手続きを済ませた。
と、ここまでは終わったものの、私には気になることがあった。
件のコートはどうなっているのだろうと。
なかなか届かない・・・・
つづく