「会話」はインプットの場と心得「聞き手」に徹するべき―「聞き上手」になることは良き情報発信者への第一歩―Ⅳ(おしまい)

             マスク越しのおしゃべりは大変

 

 

生(なま)の一次情報は、フェイストゥフェイスによる直接の会話からしか得られません。

と、いうことを踏まえて、経営者の皆さんには、他者との会話の際にはインプットに徹して欲しいというのが私の意見です。

 

さて、会話が徹底したインプットの場だとしたら、それでは「情報発信(アウトプット)」はどうすればいいのでしょうか。

それはこれまでも様々な形で述べてきましたように、SNS、地方メディア、業界紙、講演、セミナーなどを通じて、きちんと自分の頭の中で一度整理した言葉で行なうべきなのです。

 

つまり、アウトプットというのは、その場で流れていく会話と違い、一度立ち止まって、経営者として「情報発信(アウトプット)」するにふさわしい内容とレベルのものに整形してから行なわなければなりません。

そうでなければ、経営者としての「情報発信(アウトプット)」の意味がないのです。

 

しかしながら、むしろ普段の会話の中で一方的によくしゃべる経営者ほど、こういった大事な「情報発信(アウトプット)」を実践していません。

普段、饒舌な人ほど、肝心な「情報発信(アウトプット)」はおろそかなのです。

普段のおしゃべりなどどうでもいいので、きちんとした「情報発信(アウトプット)」こそ、ちゃんとやるべきなのにです。

 

唯一、会話の中に「情報発信(アウトプット)」に通じる意味があるとすれば、まだ頭の中でぼんやりとしかイメージされていなかったものが、しゃべることで整理されるということがあります。

しゃべることの効用が、こういう形で結実することは時々見られる現象で、これなどは「おしゃべり」の効果が得られた、と捉えてもいいのではないでしょうか。

 

ただし、この「効用」については、それが本当の意味での「効用」となるための条件があります。

それは、しゃべったあと、必ずその整理された考えを文字で記録するということです。

 

そしてそれを、いずれちゃんとした形にして「情報発信(アウトプット)」しなければなりません。

そこまでやらなければ、そのおしゃべりに意味があったとは言えないのです。

 

いずれにしても、基本的には「会話」はインプットの場だ、と心得るべきです。

そして「聞き上手」に徹するべきです。

社長が、またいつもと同じことをしゃべっているとしたら、それはかなりもったいない時間の使い方と自覚してください。

 

 

おしまい