「眉目秀麗」って知ってました?!?―或るバーテンダーとの会話・・・マスク美人の話―Ⅰ

            バーのインテリア・・大人の世界

 

 

先日、行きつけのバーで馴染みの老バーテンダーと、カウンター越しに女性についての会話になった。

彼と私の間で、女性を話題に登らせるのはいつものことなのである。

 

バーテンダー(以下「バ」と書きます。)と私の会話。

バ:近頃、街を歩いてもみんなマスクをしていますな。

  そうすると、顔の上半分、眉と眼しか見えないので、特に女性の場合、3割アップくらい美人に見えます。

私:そういえば、女性の美しさを表す言葉は、眉から目にかけてのものが多いような気がします。

  昔から、女性の美しさはそこに集約されていたのでしょうか。

バ:「眉目秀麗」などという言葉があるくらいですから、そうだったのかも知れませんな。

私:眉から目にかけてスッキリとした美人を見るとゾクッとしますからね。

  そこしか見えないとなると、なおさらなのかも知れませんね。

 

と、会話はだんだん具体性を帯びてきて、やや怪しい雰囲気になってきた。

すると、さっきから二人の会話を脇で聞いていた、若いバーテンダー(以下「若バ」と書きます。)が、声をかけてきた。

 

若バ:今調べたんですが、「眉目秀麗」というのは、男性にだけ使う言葉で、女性には用いないんだそうです。

   女性にだけ使う対義語として「容姿端麗」があげられていました。

 

これには私も老バーテンダーも驚いた。

「眉目秀麗」も「容姿端麗」も女性にだけ使う言葉だと思っていたからである。

「眉目秀麗」が、男性専用だとは初めて知ったのである。

 

そもそも、男性専用の美しさを表す言葉があるとは思いもよらなかった。

これは私などとは段違いにインテリジェンス度の高い老バーテンダーも、勘違いしていたようで、しきりに感心していたのである。

 

「眉目秀麗」というのは、まあ今の世の中でいえばイケメンを指す言葉なのだろうが、少なくとも私は、これまで男性を評して使ったことはなかった。

「あいつは眉目秀麗のなかなかハンサム男だ。」

などという使い方をするとは、全く想定外だったのである。

 

つづく