「当たり前」と「とんでもない!」の格差Ⅰ
私が20年前、故郷の鹿児島に帰って父の事務所に入ったとき、事務所の経理は「とりあえずコンピュータ会計」のレベルだったように記憶している。
コンピュータ処理はするものの、手書きの帳簿にも総務担当の女性が記入し、ほぼ同じ内容を母も別の帳簿に記入していた。
それを見ていた私は
「えらく無駄なことをしているなあ。」
と思ったことも記憶している。
とにかく、その入力されたデータを元に、確定申告の際に父が手計算で決算を組み申告書を仕上げていたのである。
その後一時、私は父と分かれて隣り町に小さな事務所を持った。
そのときはもうすぐに、事務所には完全にパソコン会計を取り入れた。
それだけでなく、私自身も直接事務所の日常的な経理処理にタッチすることはなくなった。
父の事務所は相変わらずコンピュータと手書きの併用でいっていたようだったが、分かれてしまったということもあり、私のどうこうできる範疇ではないのでその後気にとめることもなかった。
それより私の関心は、顧客へのパソコン会計の導入へと移って行った。
自分の事務所へのパソコン会計の導入は、自分で決めればいいことなので、何ということもなく進めることができたが、顧客への導入は予想していた以上に困難を極めたのである。
つづく