50歳前後になると給料が生産性を追い抜いてしまう問題―「働かないおじさん」特集に見る日本のビジネス業界事情―Ⅲ

日本の経済成長が止まり、人口減少に転じ、多品種少量生産の時代に変化してきたことで、サラリーマンがいらなくなる、というのが、このコラムによる論理展開だった。

ところで、ここまでの記述ではまだ「働かないおじさん」というフレーズは出てきていない。


「働かないおじさん」というのはいったいどういった存在なのであろうか。

その点に関して「「働かないおじさん」の正体」という小見出しでこのコラムは続いている。


―近ごろ、新聞紙面や雑誌などでよく目にするようになったのが、「働かないおじさん」「妖精さん」といった、40~50代のサラリーマンを揶揄する言葉だ。
みなさんの会社でも探せば見つかるのではないだろうか。

会社にはいるが、仕事をしているようには見えず、それでもそれなりの給料をもらっている存在が。
日本型雇用システムにおいては、終身雇用や年功序列などの特徴から、若いころは多大な労働力を提供しながら給料は低く抑えられ、年齢が上がるにつれ給料が上がり、50歳前後になると、給料が生産性を追い抜いてしまうということが起きる。―


これは、若い頃から私が疑問に思っていたこと、そのものズバリである。

企業組織に所属してそれなりに年数がたてば、次第に管理職へと登りつめていく。

しかし、ある程度の人数の部下を束ねる管理職というのは、数はそんなにいらない。

次第にそのラインから抜け落ちていく人もいるはずである。


かといって、その人材を若い人たちと同様に使おうといってもなんとなく扱いづらい。

勢い「働かないおじさん」や「妖精さん」といった、40~50代のサラリーマンが出現することになるわけである。


昔、上場企業であるかなりの大企業に営業に行ったことがある。

向こうから連絡があったので出向いたのである。


そうすると、通された部署はまさに上記のような人たちの集積場所であった。

何のことはない。

ひまで、郵便など見ていたら、私の会社のDMが目についたので連絡してきたらしいのだ。(何故、うちのDMがその部署に迷い込んだのかはわからない・・)


その部屋に通されると、所在無げに新聞や雑誌など見ていた50代から60代くらいのおじさんたちが一斉にこちらに顔を上げた。(こちらは30代)

いずれも、どんよりとした生気のない目をしていたことを思い出す。

 

                一応、働いているおじさんです(*´σー`)

つづく