「決算書」についての大胆な見解Ⅳ

それから、もう一つ言えるのは、決算書は上記のように、極めて定型的な様式に基づいているので、アドバイスの内容をマニュアル化し易い、ということである。

つまり「勉強」をすればキャリアのない人でも一通りのことは言えるのである。

 

「お勉強」として決算書と向き合ったことのない経営者にとって、ここのところは、五藤氏の言われるようにややコンプレックスを感じるのかも知れない。

 

私は税理士という立場ではあるが、概ね五藤氏の意見に賛成である。

経営者が嫌でなければ、決算書について勉強していただくのは構わないが、

「それよりはほかのことに注力したいから、解説は専門家である先生に頼む。」

と言われればこちらが喜んで説明するし、それでいいと思っている。

 

その場合は、簿記会計の詳しい解説などすっとばして、経営者にとって必要な個所だけ強調して伝えるようにする。

決算書は経営者にとって経営に必要なポイントだけきちんと押さえていればいいのである。

 

この点を五藤氏は次のように述べておられる。

 

― どうぞ今日から決算書への、コンプレックスは捨ててください。

決算書は勉強するものでもなければ、完全に理解していなければ経営ができないわけでもありません。

強いて言えば、ポイントだけ抑えていれば十分です。―