Amazonの初期ホームページも、2007年の初期iPhoneも粗削りだった―メイドインジャパンンの不振からビジネスを考える―Ⅴ

「最初のプロダクトが恥ずかしいものでないなら、それはリリースが遅すぎた証拠」というくらい、閃いたアイデアとそれを仕上げてリリースするスピードを大事にする世界のプロダクト事情。

すでに日本におけるものづくりの考え方やアプローチとはかなり異なっているのである。


素早くリリースして革命的な成功を収めた具体的なサンプルとして、筆者は次のような事例を挙げている。
―1995年にリリースされたAmazonの初期ホームページも、2007年の初期iPhoneも、いずれも粗削りだった。

だが、MVPを市場に出してニーズを検証し、急速に水準を向上させ、ともに破壊的なイノベーションになったことは周知のとおりだ。―


確かに、起業した当初のAmazonに対する世間の評価は散々だったように覚えている。

「あんなプロジェクトは絶対に成功しない。」といった評価をたびたび聞いたような気がするが、結局短い期間で世界最大の流通企業へと成長した。
とはいえ、そのプロセスはそう簡単なものではないと考えられる。

緻密かつ大胆な戦略といったものが必要なはずである。


その点について、筆者は次のように紹介している。
「加点型の完璧主義」では、尖ったアイデアを加点で評価し、その枝葉を活かしてプロダクトの価値を最大限に高めることを目指す。

まず、尖った要素を完璧に仕上げる理想形の「加点型の長期目標」が設定される。

この長期目標は、プロセスに応じて、修正・更新ができるものだ。―


ここに「尖ったアイデアを加点で評価し、その枝葉を活かしてプロダクトの価値を最大限に高めることを目指す。」とあるが、まずここの「尖ったアイデアを加点で評価する」ということが、日本の企業では難しいのだろう。

さらに「枝葉を活かす・・」という点においては、ほとんど逆の作用が働くのではないか。


なるほどこういったアプローチのやり方を見ていると、今の日本企業では難しいのかも知れないな、と思わされても仕方がない。

こういったものづくりはどのような具体的なプロセスを取っていくのであろうか。

 

            最初は目の玉が飛び出るくらいのアイデアが欲しい。

つづく