人生のなんとも早い時期にピークを迎えてしまった―「裏切り」という行為を通して己を振り返る―Ⅱ
学校の成績面でのデキが少々良かったばっかりに、周りからだけでなく、自分自身も自分に大きな期待をかけてしまった私の子ども時代。
別に期待をかけるのが悪かったとは思わないが、そういった周りの期待や自分の実力をやや過信していたのかも知れない。
そういった過信ゆえか、当時の私は、結構鼻持ちならないガキだったのではないだろうか。
期待を裏切ることはなかったのかも知れないが、あの頃のことを思い返せば、そんな自分の姿が浮かんでくる。
小学生くらいまでは、与えられるテーマもそれほど複雑なものはなく、なにか大きな責任を取らされることもない。(今の子供たちの置かれている事情は、当時とはやや違うかも知れないが・・・)
前述のように、多少、デキの良かった私は、周りの期待にもそこそこ応えることができたのである。
小学校の6年間は、そんな感じでスルーし、そのままその勢いで地元の有名私立進学校を受験し受かった。
周りの期待になんとか応え、自分でも期待通りにいったな、と思えたのはここまでだった。
私の「期待を裏切らない」という意味でのピークはここまでだったのである。
このとき、小学6年生から中学にかけて、つまり、12歳から14歳くらいということになる。
人生のなんとも早い時期にピークを迎えたものである。
というのは、そうやって私立の進学校に入ってみたら、当たり前の話だが周りは勉強のできる奴ばかりだった。
受験には受かったものの、生来不真面目な私は、勉強などそっちのけでいろいろなことを楽しんだために、成績は急降下の一途をたどった。
そして、これまた当たり前の話だが、こういった進学校では学業成績によってヒエラルキーは決まる。
まあ、天才的な頭脳を擁した奴を別にすれば、ちゃんと勉強しなければついていくのが困難になるのだ。
一番肝心なそこのところを疎かにした私は、たちまち、その社会からはじき出されてしまった。
中高一貫教育の進学校だったが、中学稿を卒業した時点でそこを追い出され、転校を余儀なくされたのである。
周りの期待も自分自身の期待も裏切ってしまった最初の出来事だった。
生意気だった若い頃
つづく