利害損得抜きの「人望」はあるのか?―男はいくつになっても・・・我が儘を自覚しない?!?―Ⅶ
出久根氏は
「自分の悪いところを素直に認めないのが、あなたの最大の欠点です。」
と、この男性の最も本質的な問題点を指摘したうえで、「きつい言葉に悪気はないんだ。」という逃げも「他人はそうは取らない。」と遮断している。
さらに「人望がある」という自己申告のプラス要素については、次のように述べておられた。
―あなたは人望がある、と自負していますが、友だちの間の話でしょう?
友達のは評価はあてになりません。―
と、これも切り捨てておられる。
そうなのだ。
大人になり、仕事の上でのおつきあいを通じて得られた知り合いのうち、友だちと呼べる仲になったとして、それがどれほどあてになるものなのか、ということである。
お互い、意気投合したと思っていても、常に利害関係はついて回る。
利害損得抜きで付き合える友人というのは、そんなにいるものではない。
察するに、この男性の場合、ゴルフ仲間とか仕事上のおつきあいでの「人望」ということかも知れないが、それは確かに出久根氏の言われる通りあてになるものではない。
利害関係に齟齬をきたしたときに、この友だちと思っている人たちがどれほどあてになるものか、なんともわからないのである。
そういう意味では、近年よく見ていると、女性の方が友情というものを上手に長続きさせているように見える。
肩の力を抜いて本音を話し合い、おいしいものを食べたり景色のいいところへ行ったりと、無理せずいい関係を持続させているように思えるのだ。
それに比べると、男の関係の方が、建て前が多くて、やたら役職やポジションを気にしたり、収入でマウントを獲ろうとしたりと、肩の力を抜くことができない。
特に、この相談の男性のようなタイプはそういったことを気にするのではないだろうか。
昔の青春ドラマなどでは「男の友情」というのは、なにものにも替えがたい価値のあるものだったが、今は失われたというよりは、そういうタイプが消滅した、という感じである。
より薄くより軽くなった友だち関係の中での「人望」というのは確かにあまりあてにならないのだ。
つづく
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