コート、コート、コート・・・・コートについて思い出すこと13

パッカブルのものを含め、ナイロン素材の薄手のコートについてはこれまで書いたとおりである。

さて、鹿児島に帰って生活し始めたとき、少し悩んだのは、冬に着る防寒用のコートである。

 

前述のように、南九州では暑い季節は長いし、ほとんどが車による移動なので防寒用のコートなしで済まそうと思えば済ませるのだ。

とはいえ、短いながらもやはり、12月、1月、2月は寒い。

 

福岡に出張の際は、新幹線で博多駅についたあと、地下鉄か歩きによる移動になる。

博多は鹿児島に比べて格段に寒いので、夜、街に繰り出すときなど、寒い季節はやはり防寒対策が必要になるのだ。

 

ということもあって、私はスーツの上から羽織れるサイズのPコートを購入した。

ブランドはパパスで、色は定番のネイビー、ウール100%、厚手のメルトン生地のものである。

 

実は、Pコートについては、東京にいた頃からいいものがあれば欲しいな、と思っていた。

当時買いたかったのは、フランス製のものだったのだが、そのメーカー名(ブランド品というほどのものではない)がどうしても思い出せない。

 

確か、フランス海軍制式御用達、というコートだったのではないかと記憶している。

いうまでもないと思うが、ダッフルコートもトレンチコートもPコートも軍服にその出自をたどることができるのだ。

あの頃、アメリカ軍御用達であるアメリカ製のショットのPコートと確か双璧の人気だったと思う。

 

         これはアメリカ製のもの。

 

「フランス製、Pコート」とキーワードを入力すれば簡単に検索できるかと思ったが、私の探すブランド名は出てこない。

さらに「フランス製、Pコート、海軍御用達」とググれば出てくるかと期待したが、それでもメーカー名にはたどり着けなかった。

どなたか「ああ、あれのことね。」と、おわかりになる方がいらしたら、ぜひ教えていただきたいのである。

 

なぜ、あのPコートにこだわるかといえば、もし今もあるのならば、購入したいな、と思うからである。

アメリカ製のちょっと粗野な感じに比べて、端正な佇まいで、あの頃手が出なかったフランス製のPコート。

 

とはいえ、そんなにバカ高いものでもなかった。今なら、そこそこの価格だったとしても買えるだろう。

これだけ探しても見つからないところをみると、メーカーというかブランド自体なくなったのかもしれない。

 

 

つづく