コート、コート、コート・・・・コートについて思い出すことⅨ
生地はキャメル色の厚手のウールメルトン、フロントを留めるのは麻ひものループと木製のトグル、これだけの条件でダッフルコートを探しても、なかなか見つからなかった。
そうこうしていたら、確か新宿の伊勢丹だったと記憶しているが、希望に近い仕様のものが見つかったのである。
ようやく見つけたそのコートのブランドは、イギリスのファッションデザイナーである「ポール・スミス」のものだった。
「ポール・スミス」は、若者のブランドだが、当時30過ぎだった私にも違和感はなかった。
普通、ダッフルコートはボディ部分と一体になったフードがついている。
後ろにだらんと垂れたフードが、ダッフルの一つの味でもあるのだ。
ただ、今回見つけたポール・スミスのコートは、フードが取り外し自由のタイプのものだった。
その分、襟周りの作りが若干入り組んでいて、少しゴチャゴチャした感じに見えた。
とはいえ、ようやく見つけたキャメルのコートだったので、私はそれを購入した。
生地は相当ぶ厚く、寒さを防ぐには十分なのだが、やや重たい。
そもそも、スーツやジャケットの上から羽織るつもりで手に入れたので、初めはそうやって着こなしてみた。
しかし、その着方ではこのコートは全体がちょっと重くなり過ぎたのである。
これも、わりと近年までクローゼットに掛かっていたが、数年前に手放してしまった。
前述のように、重量がかかり過ぎていたために、着た回数はそれほどでもなかったような気がする。
実は、以来ダッフルコートは、快適な着心地のものが手に入らないものかと探し続けているのである。
昔のIVYリーグの学生がガバッと羽織っているものをイメージしているために、最近のものは細身すぎてちょっと違うのだ。
まあ、気に入ったものが見つかるまで気長に探そうと思っている。
写真右のキャメルのダッフルコートも、フード取り外しできるタイプのようです。
つづく