顧客の役に立てることができたときビジネスが成立する―経営者のもつ知識と想像力が時代を変える―Ⅰ

私たちは通常、その専門性や知識を武器に仕事を進めて行きます。

モノを右から左に動かしていれば儲かった、という時代はとっくに過ぎて、何らかの専門性がなければ戦えない時代になりました。

 

日本における職業区分の6割から7割が第3次産業であるサービス業、と言われるようになった今、私たちが顧客に提供するのはまさにこの専門性であり知識ということになります。

そのために、様々な専門的知識を身につけ、仕事のスキルを磨き続けるのです。

 

しかし、ここで気をつけなければならないのは、知識さえ身につければそれでいいのか、ということです。

もともと生真面目な日本人は、学習し続けること自体はそれほど厭わないでしょう。

 

ただ、これは当たり前のことですが、知識や専門性というのは、自分の頭の中にインプットしただけでは1円にもなりません。

その知識や専門性を、具体的に顧客の役に立てることができたときに、初めて仕事として成立するのです。

 

つまり、何らかの形でアウトプットが行なわれたときに、その知識や専門性を活かしたことになります。

このアウトプットというプロセスを経なければ、ビジネスは成立しないことになります。

 

そして、これも実務をやっていれば当たり前に気がつくことなのですが、学習した知識がそのまま使えるということはほとんどありません

それは、例えば大学で専門課程を卒業してきた学生が、就職してもすぐには実務に使えないこと一つをとっても明らかなのです。

 

大学で学んだことなどは、いわば基礎的な学習です。

その基礎知識を、現場で応用していくことを身につけていかなければ、実戦には使えないのだ、と新卒者は覚悟した方がいいでしょう。

 

        専門性は顧客の役に立つのか・・・

 

つづく