せっかく買った書籍には栞くらいはついていて欲しい―栞(しおり)或いは栞紐(しおりひも)について考えた―Ⅰ

本を買うと必ず何かしら「お知らせ」が挟まっているものである。

小さく折りたたんだパンフレットのようなもので、その出版社の他の書籍の紹介や、買った本の作家が書いたほかの作品の案内だったりする。

 

なんにしても、商業的なペーパーであることに違いはない。

同様に、感想などを送って欲しい、とはがきもついていることがある。

 

私にとっては、どっちも「邪魔だなあ・・・」とも思うが、役に立つこともある。

それはその本に「栞(しおり)」がついていなかったとき、栞(しおり)代わりに使えるからだ。

 

本をどこまで読んだかは、何かしらの印(しるし)をつけておかないとわからなくなる。

私は何も挟むものがないと、とりあえず近くにあったレシートなどをページとページの間に滑り込ませるのだ。

 

しかし、これではあまりに不粋である。

先ほどのパンフレットにしろ、レシートにしろ、その本を再び開いて読み始めるとき、そんなものが挟まっていたら興ざめもいいところだからだ。

 

と、そう思うのだが、最近の出版物には栞がついていないことも多い。

文学作品など買って読むことがめっきり減ってしまった私だが、小説の類(たぐい)にはついているのか? 

私がよく読むビジネス書には、先述の「お知らせ」やはがき以外は何もないことが多い。

 

やはり、せっかく購入した単行本の書籍には、ちょっとしゃれた栞くらいはついていて欲しい。

出版社としても、「お知らせ」やはがきを栞代わりに使われたのでは本意でなかろう。

 

        この本にもなかったなあ・・・・

つづく