多くの事業がそれほど長く続かないのは古今東西共通?―事業承継支援、というけれど・・・―Ⅳ

もちろん、せっかく始めた事業の寿命が長いに越したことはありません。

しかし、多くの事業がそれほど長く続かないというのは、古今東西共通の事象ではないでしょうか。

イケる、と思って始めたものの、それほどでもなかったり、しばらくは当たったもののすぐにブームが去ってしまったり、と理由はそれぞれでしょうが、事業を長く続けるのはなかなか難しいのです。

 

そもそも、ビジネスというのはいつの時代もスクラップ&ビルドを繰り返しているわけで、常に新しいタイプの事業は立ち上がります。

ただ、日本の場合、近年廃業数がすさまじいので、それが開業数を上回り、日本全体の事業所数が急激に減っているのです。

 

先述したように、かつての高度経済成長期においても、ちょっとした不況のサイクルに陥れば、倒産や廃業の数はそれなりに多かったと思います。

しかし、それを上回る起業数があったために、現在のように急激に数が減っていくということにはならなかったのでしょう。

 

つまり、昔は「商売」に、もっとうまみがあった、ということです。

ちょっと気の利いた人間であれば「商売」を立ち上げて、他人より少し頑張ればそれなりに儲かっていた時代であり、勤め人をしているよりははるかに高い収入を得ることができたのです。

 

そのみんながなにかしら商売にチャレンジしていたという集合体が、日本全体の経済力を底上げし、歴史上空前の高度経済成長期を作ったのではないでしょうか。

それは、中小企業だけの話ではなく、ソニーやホンダのような大企業も、最初は小さな「商売」から始まっています。

「起業」が日本の経済成長の源泉だった、といっても過言ではないのです。

 

高度経済成長時代はすべてが右肩上がり

 

つづく