お仕着せのものでは人の関心を呼ぶことはできない―誰かに言われたからではない社長の「情報発信」―Ⅲ

「経営トップの最も重要な使命は、新たな仕事を創り出していくことである。」

というのは昔から言われている、企業にとっての重要なテーマです。

特に現代においては、その比重が高まっているといえましょう。

 

そんな中で、これまで「情報発信」をあまりきちんとやってこなかった企業が、それを始めるということは、新たにオリジナルな業務を創り出すのに匹敵するくらい大変な挑戦といっていいでしょう。

その大事なテーマをいきなり部下にやらせるのは、経営者の責任を放棄した無謀ともいうべき行為ということになります。

 

それから前述しましたように、「情報発信」を上からの命令で部下が行う場合、「型」がなければ実行不可能です。

どうすればいいのか、細かい指示が必要となるでしょう。

 

ただそうなると、経営者も面倒なので、必然的に何かマニュアルのようなものを求めたり、有りもののお手本を捜すことになります。

私のお勧めする「情報発信」の場合、そのテーマにピッタリと合うものが見つかるとは思えませんが、「広報の上手なやり方」的なノウハウ本程度であれば、なんとか探せる可能性はあるかも知れません。

 

しかし残念ながら、「情報発信」がこのプロセスを踏んだとすれば、全く面白味のないものが出来上がってしまうことは間違いないところです。

よく型通りのHPとか、何の工夫も見られない会社案内とか見かけることが多いと思いますが、こういったお仕着せのものでは、せっかく作ってもほとんどの人の関心を呼ぶことはありません。

 

 

つづく