マーケティング部門は寄せ集めではなく、能力の高い適任者を選抜すべき―BtoB企業の現状に学ぶマーケティング―15

マーケティングについて、もともと知見のない日本企業の経営幹部。

この点の解決方法について、庭山教授は次のように述べておられます。

― 経営幹部にマーケティングの基礎知識がなければ学ぶ環境を整えるべきです。

経営幹部が学ぶべきマーケティングはフレームワークで、実務ではありません。―

 

私は、マーケティングに関して基礎知識のない経営幹部が、今さらそれについて詳細に学ぶのは、年齢的にも結構きついものがあるのではないか、と思っていました。

しかし、「実務ではなくフレームワークでいい。」というところに、まだ救いがあるような気がします。

日本企業の経営幹部であれば、それなりに優秀な人材も多いので、マーケティングの概念を大枠のところでつかむのは、それほど難しいことではない、と思われるからです。

 

マーケティング戦略が決まったならば次は組織作りです。

これには、能力の高い適任者を選抜すべきと思うのですが、日本企業ではしばしば逆のことが起こるようです。

つまり、各部署ではみ出した人材とか協調性のない人間を選ぶことが多いのです。

 

庭山教授は、日本企業がマーケティング部門の立ち上げに失敗する原因の一つに、上記のような選抜の仕方を問題点として挙げておられました。

これは私も、自分の業界で味わったことがあります。

新規部門の立ち上げ担当者に、全く相応しくない人材を送り込んできた支部があって、彼らと議論が全く噛み合わず、苦労したことがあったのです。

 

マーケティング部門は、寄せ集めではなく、優秀な人材の集合場所としての機能を大いに発揮しなければなりません。

その点について庭山教授は、最後に触れておられます。

 

 

 

つづく