「戦略」「組織」「システム」の順で整備する―BtoB企業の現状に学ぶマーケティング―14

日本企業が、欧米企業のマーケティング力に追いつくためにはどうすればいいのか。

最後に庭山教授は、この点についても持論を書かれています。

 

庭山教授は、日本の多くのBtoB企業が持つ製品の品質、サービスレベル、メンテナンス体制、安定供給能力は世界トップクラスとされながらも、マーケティング力の差が大きすぎる、と指摘されています。

 

したがって、マーケティング力を強化すべきでそのためには

― 具体的には「戦略」「組織」「システム」の順で整備することが重要です。

戦略は、外部ブレーンを活用して自社のマーケティング戦略、つまりどういうマーケティングをすべきか、すべきでないかを経営幹部が徹底的に議論しなければなりません。―

 

上記の内容については、引き続き詳しく書かれていますが、このあたりの記述になりますと、大きな企業向けのものなのかな、という気がしてきます。

つまり、これらの項目でマーケティング体制を整備するとなると、かなり大掛かりなものになる、と考えられるからです。

 

とはいえ、ここまで見てきたのですから、引き続き庭山教授の見解を追ってみたいと思います。

―(マーケティング戦略について経営幹部で徹底的に議論する)前に組織を作っても役に立たない組織ができるだけで、システムを導入すれば使えない道具に振り回されることになります。

すべての判断基準になるのがマーケティング戦略なのです。―

 

マーケティング戦略がすべての基礎であり、重要であると述べておられるのですが、おそらく、この「戦略」を決めるのに日本企業は苦労するのではないか、と思われます。

経営幹部にその知見がないからです。

その点についても庭山教授はこのあと述べておられます。

 

 

 

つづく