「成功者はずるい。」という発想!?!―地方におけるこの閉塞感はいったいどこからくるのかーⅢ

チャレンジする人材に対して「あいつは馬鹿だ」という風土も困ったものですが、それ以上に問題なのは成功した時だ、と木下氏は分析しています。

それはいったいどういうことなのでしょうか。

 

― さらに、困ったことに、挑戦者が成功すると物事はさらにこじれます。

成功者は「すばらしい」と言われるのではなく、「あいつはずるい」と言われてしまうことが多くなるからです。

当然ながら、地域における事業は万人にすべて均等に富を配るようなものなどありませんし、不可能です。

公の行政事業でさえ受益者の濃淡は出るわけで、それが民間事業であれば、「できるだけ多くの人にかかわってもらおう!」と考えたところで、当然ながら個々人の受益には差が出ます。

自分たちが恩恵にあずかれない事業で成功すると、「あいつらだけずるい」となって足を引っ張り、どうにかして失敗させようと試みたりするのです。―

 

これも地方で起こっている典型的な事象と言っていいでしょう。

誰かが成功した事例において、自分が関係しないことと言うのはいくらでもあるわけです。

というか、それが普通だろうと思います。

 

例えば、地元の農業か何かで画期的な作物を開発し、流通にものせて大成功した人がいたとします。

税理士である私には、顧問でもしない限り何のプラスの影響もありません。

受益にあずかる機会など皆無と言っていいでしょう。

 

では、私がその成功を喜ばないか、といえばそんなことはないわけです。

第1次産業が基幹産業であるこの地において、農業で成功者が出たということは、地元の農業従事者に大いに勇気を与えます。

 

その成功者に続く人材がどんどん出てくれば、地域全体の活性化につながるはずだ、と私は考えます。

そのモデルを参考にほかの農業経営者にも頑張って欲しい、と素直に祝福すると思います。

 

ところが、木下氏によれば全くそうはならない、というのです。

「成功者はずるい。」という発想になるというから驚きです。

黙って羨んでいるだけならまだ罪もないのでしょうが、足を引っ張り、失敗を画策するというのですから始末に負えません。

どのようにして成功者の足を引っ張るのか、このあと木下氏は地方に見られる典型的な事例をあげておられます。

 

つづく