苦境を脱出する手立ては独自性を発揮するのみ―インプットとアウトプットは一対でなければ意味がない―Ⅱ
「これから益々大変な時代になるから、気を引き締めて仕事に向き合うように・・・」
とだけ伝えたコンサルタント。
人口減少の激しい地方においては、どの業界も経営が厳しく、それをこんな風に、統計的に指摘するだけだったら簡単な話です。
この状況を、いかにも難しい分析をしたかのような言い回しで、事業者の不安を煽るのは、正直言ってそれほど難しいことではないのかも知れません。
こんな指摘くらいだったら、全国どの業界でも共通して言えるからです。
この問題の本質は、一体どこにあるのでしょうか。
それは、いかなる産業においても事業経営が苦しいという事実は、統計的にさほど難しい証明ではないにもかかわらず、その打開策は個別バラバラでしか成し得ないのだ、ということなのです。
つまり、この状況の打開策については、統計数字を説明するときのように、全体共通の方法論として一律に語るのは難しいのです。
事実、そんな方法論はないからです。
世の中が売り手市場でなくなった現在、苦境を脱出する手立ては個別、独自性を発揮するしかありません。
横並び、つまり他人(ひと)と同じことをやっていたのでは、買い手から見て差がつかないからです。
買い手は同じものであれば安い方に流れます。
経済全体が上り坂の時代は、横並び、他者の真似をしてもそこそこうまくいった頃もありました。
しかし、現在のように経済縮小時代には、他者の真似をしていては常に後れを取るばかりなのです。
つづく