多少主観的であったとしても全然構わないストーリー―顧客を魅了する会社の物語を考える―Ⅱ

・社史との違い

「ストーリー」を一番取り違えそうになるのは「社史」ではないかと思います。

近年では、立派な「社史」を編纂する会社も増え、その編集や制作を代行する業者も出てきているようです。

 

「社史」と「ストーリー」の大きな相違点は何でしょうか。

その違いには二つあります。

 

一つは、それが内に向かって作られるものなのか、外に向かって発信されるものなのか、という違いです。

 

「社史」を大切に思い、奉るとすればそれはほぼ間違いなく社内の関係者ということになります。

外部の関係者には、配布或いは贈呈することはあっても、おそらく彼らが直接関わることは少ないでしょう。

 

また正直言って、貰った方がそれほど有り難がるものでもありません。

これは別に「社史」を中傷している訳ではなく、「社史」というものはそういうものだからです。

 

もう一つの違いは、そもそも「社史」は客観的な事実を時代順に正確に表現しなければならないものだということです。

主観的な要素が入る余地はほぼありません。

しかしながら、「ストーリー」はそれとはやや異なるスタンスなのではないでしょうか。

 

「社史」が、基本的には散文で表現された年表だとすれば、「ストーリー」はまさにその名の通り「物語」ということになります。

物語とはいえ、もちろん中身にウソ偽りがあってはなりませんが、多少主観的であったとしても全然構わないのです。

むしろ、それを読む人の感情に訴えるようなメリハリがなくては全く面白くありません。

 

 

つづく