これまでより広く商圏を設定し直してみる―衰退を免れた企業に共通して見えてくること―Ⅲ

何十分の一の確率で生き残った企業に共通する「条件」、企業が成長発展するための条件。

次に

・自らの商圏(マーケティングエリア)を広げている。

という点ですが、これも現在の、特に地方のビジネス環境を考えれば、あまりにも当たり前のことになります。

 

というのは、昔と同じ商圏内に住む人の数が極端に減少してきた今、その商圏の範囲内で商売を続けることは当然ながら難しくなります。

密度がスカスカになった商圏は、櫛の歯が欠けたようになった街並み、シャッターが軒を連ねる商店街を見れば一目瞭然です。

 

対策としては、同じ商圏内で自社の商品を購入してくれる消費者の層を厚くするか、広く商圏を設定し直して顧客の絶対数を増やすか、といったことを考えていかざるを得ません。

これまで発想もしなかったような、踏み込んだ策を採らざるを得ないのです。

 

成功している事業では、エリアを広げて新規顧客を開拓する、郊外型の店舗に移動してこれまでよりは広い商圏から集客をする、といったことを実行しています。

こうやって、新たな打ち手を展開することで、それまでの「町なか商店」からの脱却を図っているのです。

 

当然、広がった分、昔商圏内の人口密度が濃かった頃に比べて、自社と関連するマーケットの濃さは薄まっていきます。

その「薄まり」を補完するのが次の策になるのです。

 

 

つづく