マトリクスでものを考える―多軸設定で頭の中を整理してみる― Ⅳ

さて、なぜこんなマトリクスを作り、自らの業務を整理し振り返ったかといえば、今後我々は何をしていくべきなのか、どういう方向性を目指せばいいのか、が極めて重要なテーマになってきたからにほかなりません。

つまり、業界そのものが大きな過渡期に差し掛かっているからです。

 

ただ、この切り口でものを考えるということは、私たちの業界に限ったことではありません。

他のあらゆる分野の業界においても、「これまでとこれから、どっちを向いて仕事をするのか」といった切り口は、考えていくべき重要なテーマなのではないでしょうか。

 

さて、このマトリクスで、まず縦軸に「時系列」という基準を入れたのは、我々の仕事が「過去」の整理に留まらなくなってきているからにほかなりません。

「過去」の整理とはどういったものを指すのでしょうか。

 

月次監査にしても決算、税務申告にしても、「既に行なわれたこと(我々が関与するのはほとんどが経済的取引)」を仕訳し、数字的に整理したものということになります。

もちろんここから得られる業績上の数字を管理していくことは、企業経営上極めて重要なことではありますが、現代の企業経営に関してはそれでは足りなくなってきているのです。

 

ここで得られた数字が未来へどうつながっていくのか、何をなすべきなのかを予測し、「見える形」で表現しなければなりません。

そのためにはこれまでと異なるノウハウや考え方が不可欠となります。

その具体的なものとして「時間軸」という切り口を設定する必要があるのです。

 

 

つづく