攻めの一手で業績向上を狙う―「守り」だけでは自社を発展させることはできない―Ⅱ
ところで私は、これまで多くの中小企業の経営をサポートしてきて学習した一つの結論があります。
それは、
― 企業経営が窮地に陥った時の解決法にはいろいろな手が考えられる。
その中で、なんとか「攻め」の一手で乗り切ろうとチャレンジする経営者の企業はさらなる成長発展を望むことができる。
しかし、「守り」だけで乗り切ろうとする経営者の企業はそれなりの結果しか出せない。―
というものです。
窮地に陥る、というところまで行かない、通常の経営状態であっても同じことが言えます。
経営者は、常にどこかで攻めていないと事業の成長発展は望めないのです。
かつて私は「攻め」のマインドは、経営者であればほとんどの人が当然のように持っているものだ、と思い込んでいました。
ところが、世の中には特に業績がマイナスに転じたときに「攻め」を考えるより「守り」に入る方を選ぶ経営者が意外に多いことに驚いたのです。
「守り」といっても、それがやがて「攻め」に転じるための一時的なものであれば問題ないと思うのですが、ずっと「守り」で通したのでは企業業績を維持することはできません。
「後退はやむを得ないが、これくらいのレベルまでで何とか守りきろう。」
と、思っていても「守り」の策しか考えられない経営者は、やがてその段階では留まれなくなります。
ほとんどの場合、ジリジリともっと後退させられて、やがてレッドラインを超えることになるのです。
つづく