新聞の人生相談欄から―障害について考える―Ⅶ(おしまい)
3人の子供を育て、あれこれ経験してきた私たち夫婦の心に、この日の人生相談とその回答は強く響きました。
そして、大日向氏の回答、最後の結びにはさらに心打たれるものがありました。
相談者が悩み、新聞に投稿までしてきた当人であるその子に対して、大日向氏は次のように述べておられました。
―そうした時を迎えるためにも、心に留めていただきたいことがあります。
人は誰もがこの世に必要とされて生まれてくるということです。
その子の存在が誰かに失望を与えるなどと考えることはないのです。―
この部分も、私は家内に読んで聞かせます。
しかし、2行目辺りから涙で声が詰まってしまいました。
「人は誰もがこの世に必要とされて生まれて来る」・・・その通りだと思います。
できの良い子も悪い子も関係ない。
そもそも、できがいいとか悪いとかに明確な基準がある訳ではありません。
大人が勝手に、聞きわけがいいとか成績がいいとかで区別しているだけのことです。
大日向氏の回答は次のように述べて締めくくられていました。
―周囲の多くの方々がご家族を支えてくださっています。
懸命にご長男を育てているあなた方に共感し、少しでも力になりたいと思っているからではないかと思います。
あなた方にはたくさんの味方がいることをどうか忘れないで下さい。―
心配しながら育てた私たちの長男も、周囲の暖かさがあったからでしょうか。
優秀とは言えないまでも、なかなかいい奴に育ちました。
子育ての最前線にいるのは言うまでもなく親です。
子育ては、この回答にあるように、味方をしてくれる人はたくさんいますので、それを信じてきちんと向き合って進んで行けばいいと思います。
おしまい