我が社のポジションを考える―『考える経営者』が時代を作る―Ⅲ
さて、ここまで、主に組織内部の運営に関して、「役割分担」という横糸と「優先順位」という縦糸を組み合わせる縦横(たてよこ)の組み合わせということで説明してきました。
実は、企業経営にはもっと大きな縦横(たてよこ)の組み合わせがあります。
それは、自らの事業を時系列的に俯瞰して見る縦軸と、ビジネス社会の中で置かれているポジションで見る横軸とになります。
縦軸としての時系列というのは、自社の歴史ということになります。
我が社は如何なる変遷を経て現在に至っているのか、その歴史の過程で必然的に自社に形成されていった有形無形の資産にはどういったものがあるのか、といったことを振り返り整理してみるのです。
こういった大きな流れを俯瞰して見ることで、自社が育んできた「のれん」(会計の世界では「営業権」と言います)や地域での「看板」といった、独自性を理解することができます。
これを縦軸とします。
一方、大きなビジネス社会全体の中で、現在我が社が置かれているポジションというものを考える必要があります。
顧客などのマーケットや競合他社、その他の利害関係者などを含むビジネス社会全体の中でどういった位置を占めるのか、を俯瞰し掴む必要があるのです。
また、これからそのポジションはどう変化して行くのかという視点も大切になります。
これも我が社を俯瞰して見ることからしか掴むことはできません。これを横軸と考えるのです。
これらの縦軸横軸を組み合わせてみることで、我が社の現在のポジションとこれから行くべき道筋が見えてくるのです。
つづく