町内唯一の生き残りとして思うこと
―町の変遷と私が取り組んできたこと―Ⅵ
その大きな課題というのは、顧客のOA化という問題でした。
自分の事務所であれば、それ(OA化)を命令することで済ますことができます。
しかし、顧客へのコンピュータ導入は一筋縄ではいきませんでした。
まず、コンピュータそのものが皆さん苦手だったこと。
それに経理に新たな費用をかけることに抵抗があったこと。
導入をお勧めしなければならない立場の職員たちが及び腰だったことなど、様々な理由によって、顧客のOA化は困難を極めました。
しかし私は、事務所とお客さんの事業の将来への展望を考えたとき、この点だけは譲れないと思い、職員のおしりをたたき、嫌がるお客さんの説得を続けました。
その結果、月次のチェックをさせていただいているお客さんの80%以上のOA化が実現できたのです。
もっとも一部のお客さんにはこのことで随分嫌われはしましたが・・・
この取り組みによって、業務の合理化と新しい展開への道筋を作ることができました。
私が仕掛けてきたことの中には、うまくいかなかったことや途中で頓挫したことも多くありましたが、ここぞ!というものについては徹底して頑張ったのではないか、と思っています。
例えばこのコンピュータの導入とその機能を駆使していくというのは、当時どの業界にも課せられた必須のテーマだったと思うのですが、それを他者よりも早く、本気になって取り組んだ経営者は少なかったと思います。
私も自画自賛するほど早かったわけではありませんが、必須条件と認識してからは懸命に取り組んだのです。
つづく