「比較」が基準となるSWOT分析―企業資産を絶対評価価値の世界で考察してみる― Ⅱ

SWOT分析はかなり主観的なものである・・・・と、申しあげてきました。

つまりなにが言いたいかといえば、比較という相対的な指標や主観的な判断基準を持ち込んだ「SWOT分析」に対して私はかなり懐疑的である、ということなのです。

 

とはいっても、これまでお客さんに自社について分析してもらうときに、そこそこ使わせてもらったことも確かです。

「SWOT分析」は自社分析のほんの入口のところで、こういったことに慣れていない社長さんの頭の中を整理してもらうにはちょうどいい手法なのです。

 

そういう意味では懐疑的とはいっても「SWOT分析」を完全に否定するものではありません。

ただ私は、自社分析の手法としてそれほどレベルの高いものではないと評価しているだけのことです。

 

これに対して私は「有形無形の企業資産の棚卸」という手法をお勧めしたいと思っています。

これは、SWOT分析とはまったく違った考え方によるものです。

特にこれまでご紹介してきました「隠れている企業資産」を発見していくという考え方は、何かと比較するのではなくその企業の持つ絶対的な資産をあぶり出すというものです。

 

ここで以前定義しました「隠れた企業資産」をもう一度振り返ってみましょう。

それは

「企業の理念や哲学、思いやこだわり、信条、受け継がれてきた伝統といったもの。更に、特殊な技術や人材、社長の人脈といった決算書上の『貸借対照表』には全く表現されない裏に隠れた無形の資産」

というものでした。

 

 

つづく