私の少し困った原点―冷めた目で業界を見るようになったきっかけ―Ⅱ
さて、あれから40年以上経った。途中、学生に戻ったり、10年ほど他の業界に居たりしたものの、この職業会計人の世界で合計30年は経過している。
「税理士の顧問というのは、大して歓迎されてはいないんだ・・・」
と知った新人会計人のときから、随分紆余曲折を経て現在に至っている。
思い出してみれば、ちっとも雰囲気よくなかったなあ・・あの研修、という感じである。
もし、今の自分が主催するとすれば、絶対あんな内容にはしないだろうな、と思う。
そして私は、この時点で自分の資格や職業について、どう思っているのだろうか?ということなのである。
まあ、あの原点については、普段そんなに意識する訳ではないものの、じんわりと結構大きなインパクトがあったのかも知れない、と感じる。
というのは、常に冷めた目で自分の所属する業界を見てきた自分がいるからである。
この間、わかったことはいろいろある。それは
「顧問契約については、すべての顧客が『結びたくない、結ばなくて済むものなら・・・』と、考えている訳ではない。」
ということがまずある。
頼りにしたいけど積極的には・・・どうも・・とか、とっつきにくいけど、まあこんなものなんだろうから・・・とか、完全に信頼感や親しみをもって接してくれている訳ではなさそうである。
それには、顧客側というよりも税理士側に大いに問題があるということがわかった。
それは「専門性の限定」といったことがあるように思う。
つづく