わざわざ言うのも変ですが―戦力としての女性活用について考える―Ⅰ
実は、自分でつけたものの、私はこのタイトルそのものに違和感があります。
「戦力としての女性活用・・・」などと、わざわざ言うところが、そもそも女性を戦力として正当に評価してこなかったからじゃないか、と思われるのが嫌だからです。
にもかかわらず、このタイトルで書こうと思ったのは先日インターネットのニュース欄で、東洋経済新報社が開催した「超・生産性会議」というイベントの記事を読んだことがきっかけでした。
この記事の中で、イギリス出身、今は日本に住んで、重要文化財の補修を手掛ける小西美術工藝社のデービッド・アトキンソン社長は
「日本の銀行はいつまで女性行員を窓口に張り付けるのか」
と提言されているのです。
アトキンソン社長は次のように述べられています。
― 日本のGDPは世界第3位。でも、1人あたりGDPで見ると、3年前が24位、2年前が27位で、昨年は30位というように、年々低下している。―
1人あたりGDPは、GDPの総額を総人口で割って求められます。
GDPは国内総生産のことで、一定期間中、国内で生み出された付加価値の総額を示します。
それを総人口で割って求められる1人あたりGDPが国際比較で低いのは、国民1人が生み出す付加価値が低い、つまり生産性が他の国に比べて低いことを意味するのです。
つづく