経営者にしか語れない物語:経営トップの情報発信―それをやり続けるべき理由とは?―Ⅳ(おしまい)

ストーリーとして他者に伝えるためには、その表現一つにもこういった努力が必要なのです。

ただの事実だけを列挙していたのでは、社史の年表と同じものになってしまいます。

 

ストーリーとして伝えるということは、当時の思いや意思といったものが生き生きと表現されていなければなりません。

それができるのは、トップである経営者だけなのです。

 

冒頭のお話に戻りますが、「差別化」というのはこういう細部の積み重ねといっても過言でありません。

というのは、こういう積み重ねを続けていくという行為は、かなり面倒に感じるため、ほとんどの経営者は初めからやろうとしないからです。

 

広報や広告は担当者に任せることもできますが、この手の情報発信は経営者がやるべきです。

というか、経営者にしかできません。

担当者レベルでは不可能な領域なのです。

 

多少の汗はかかなければなりませんが、先代や自らが築いてきた自社のことです。

決してできないことはありません。

 

そのための有効なサポートが必要であれば、外部の力(専門の業者やコンサルタントなど)を借りてでも、この情報発信はやるべきと私は考えます。

これは、経営者自らが先頭に立ってチャレンジしていただきたい企業にとっての重要なテーマなのです。

 

おしまい