メディアと経営の関係―そのあり方と時代性について考える―Ⅰ

 

新聞各社、朝刊の宅配部数が、近年かなり減ってきていると聞きます。

近年というよりだいぶ前からこの現象は始まっているのでしょうか。

確かに30代から20代の私の子供たち(女、女、男の3人です。)は、学生の頃から誰も新聞を取っていませんでした。

 

特に平成生まれで3人姉弟末っ子の長男は、ほとんどの情報収集(発信も含めてですが・・)をネットで済ませているようで、おそらく、宅配新聞の定期購読など頭をかすめたこともないでしょう。

彼が大学卒業を控えて、就職活動している頃、さすがに

「最低でも日経新聞の記事やコラムなどは読んどけよ。」

とアドバイスしました。

それでも、たぶん電子版は読んだとしてもペーパーの新聞紙を手にすることはついぞなかったのではないでしょうか。

 

この世代になるとテレビもそれほど熱心に見ることはないようで、兄弟間や家族間の話題に、ヒット中のドラマの話などが交わされることはほとんどありません。

これはどうも我が家だけの現象ではないようです。

昔のように、老若男女誰もが見たり聞いたりして知っているヒット番組やヒット曲、アイドル、タレントといった「共通項」は、もはやあり得ないのかも知れません。

かつて、こういった「世代を超えた共通項」を世に送り込んでいたのが、マスメディア・・・テレビ、ラジオ、新聞といった媒体だったといえるでしょう。

 

このような身近な現象を見ていても、旧来の基本的なマスメディアである宅配新聞やテレビといった媒体のあり方が、これまでとは大きく変わってくるだろうことが読み取れます。

これらのメディアが、今のままの形態を維持することは、今後かなり難しくなってくるのではないでしょうか。

メディアを取り巻く環境が大きく変わり、これまでの価値観では測れない時代に突入しようとしているのです。

 

 

つづく