経営者像の違いは企業のあり方を決定するのか―日本のリーダー像を危惧する―Ⅰ
ローソンのCEOである玉塚元一氏は、ちょうど私と10歳違い、1962年生まれの若き経営者である。
インターネットの記事に彼が面白いコメントを寄せていたので触れてみたい。
彼は学生時代についてこんな風に振り返っている。
― 留学したのはケース・ウエスタン・リザーブ大学院だが、サンダーバード大学国際経営大学院とはデュアル・ディグリー・プログラムという単位互換制度を通じて異なる学位に同時に挑戦できる制度があった。
通常MBAは、2年間で60単位ぐらいで取得できる。私は両方の学校で90単位ほど取り、MBAと国際経営学修士号の2つの学位を取得した。と言っても資格に興味はなく、ひたすらに勉強したかったのだ。
ファイナンスや組織論の分厚い英語の本も徹夜で読んで翌日の授業に臨み、全部の教授の部屋を訪ねては質問をぶつけていた。―
この一文を読んだだけでも、彼がいかに旺盛なバイタリティーの持ち主だったかが伝わってくる。
この一文から伝わってくるのは二つの事実だ。
一つは先述のように学ぶことに対する旺盛なエネルギーである。
砂が水を吸い込むように勉強していたことが伝わってくる。
もう一つは「資格には興味がなかった」という点だ。
残念ながら日本の若者(「若者」に限らないかも知れないが・・)には「資格を取って終わり」という傾向が多くみられる。
資格を目指すのはいいのだがそこで終わりではない。
資格というのは玉塚氏がそうっであったようにプロセスの一部であり単なる手段でしかないのだ。
「その先」が大事なのである。
つづく