隔靴掻痒のビジネス支援―直接法か間接法か、悩んだ末に―Ⅵ

と、ここまで書いてきて今回のタイトルである。

何が「隔靴掻痒のビジネス支援」なのであろうか。

隔靴掻痒というのは痒い所に手が届かない、歯がゆい、もどかしい思いをするといったことであろう。

 

我々会計人の経営支援も、これに少し似たところがないだろうか。

というのは、経営計画の策定サポートという支援の仕方は、直接成果を上げるものではないからである。

成果を上げるために計画を立て、それに沿ってクライアントである経営者や社員のみんなが努力をすることで初めて成り立つのである。

 

そして、その努力の具体的な内容については「自分たちで考えてください。」という形をとる。

クライアントに直接、方法論、やり方と言ったものをレクチャーするのではないのだ。

 

但し、これは考え方として間違ってはいない。

会計人としては極めて真っ当な支援の方法といえよう。

その理由は二つある。

 

それは、ひとつは経営計画の達成結果は財務諸表という形で表現されるため、我々の専門分野ということになるからである。

もう一つは「何をやるか」は、結局、経営者自身に考えてもらうしかないからである。

 

とはいえ、これが間接的な支援であることに違いはない。

顧客の顧客、つまりお客さんのお客さんに対してどうしたらいいかを直接伝えるものではないのだ。

 

 

つづく