会議風景に見る新旧振興企業の相違点―映画やドラマを通じて見えてくるもの―Ⅲ
重役会議という訳ではないが、私はかつて私の所属する業界の役員を引き受け、ひと月おきくらいに東京で行なわれる会議に出席したことがある。
この会議では業界が打ち出した新しい重要な方針の骨子を決めることになっていた。(・・はずであった。)
しかし、会議を1回目2回目3回目と繰り返しても、一向に話が前に進んで行かない。
それどころか、
「(これから決めるであろう)方針を業界内規定のどこに当てはめるか、会員にどんな風に納得させるか」
といった、私からすれば後回しにすればいいような、どうでもいい内容を延々と話し合っている。
とうとう業を煮やした私は、何回目かの会議のときに発言を求め、決めるべき主旨をホワイトボードに書きまくって
「こういうことですよね?こういったことを考え、決めていくんですよね!?」
と迫ったことがあった。
ところが見事にその発言は無視され、私の発言の後、何ごともなかったかのように所定の進行基準で会議は進められたのである。
私の出席した会議は、どうも事前に話し合われている担当役員のみによる会議の決定事項を追認するだけのものだったようで、新しいアイディア出しなど不要だったのである。
まあ、この話は以前にも書いたのでこれ以上は触れないが、あまりのバカらしさに呆れたことを覚えている。
つづく