会議風景に見る新旧振興企業の相違点―映画やドラマを通じて見えてくるもの―Ⅱ

ふと思ったのだが、この会議風景の違いがまさに日米の、というより旧産業と新興産業の違いを象徴的に表しているのではないかと。

企業が目指すべき本質を喧々諤々話し合う会議と、派閥や人事といった本質とは離れた周辺の事情にエネルギーを費やす会議とはおのずとその価値が違ってくる。

 

もちろん、アメリカだって重厚な会議室での重厚な会議もあるだろうし、日本だってフリーにアイディアを出し合う会議もあるだろう。

あくまでもデフォルメした比較ではある。

 

ただ、「おそらくここが違うんだろうな。」と思うのは、最終決定までのスピード感である。

新興企業の若者たちは極めてショートカットで物事を進めているのではないか。

 

それに比べて日本の企業では一つ上、一つ上に対して一々稟議書を提出したり、説明に時間を費やしたりしているのではないのか。

そしてその最終決定会議が冒頭に書いた重々しい重役会議である。

 

しかも、こういった仕組みの弊害は(あえて「弊害」と言ってしまうが・・)スピード感がないというだけではない。

結局は革新的な方向よりも無難な無難な方向へ決まりがちなのではないかと思うのである。

 

もちろん、大企業の重役会議など出席したこともない私であるが、世界に後れを取っているとしか思えない今の日本企業の状況を見ての率直な感想である。

 

 

つづく