メディア化戦略とブランディングⅤ

ここからが、ピーター・ドラッカーのいう「企業の使命は、市場の創出である」という言葉を受けた上での著者の最も重要な提言である。

 

― アップルやダイソンが成し遂げてきたことは、むしろマーケティングの段階では、確信の持てるデータを導き出せるものとは思えません。

両者の商品はトップからの提案なのです。

さらに言えば、すでに類似商品で定番と言われるものがあるなか、まったく新しくそれらの商品を革新したうえに、プレミアム価格まで上乗せしてしまったのです。―

 

これは、日本のトップ企業家にとって耳の痛い提言であろう。

技術的に優れ、商品の機能性、安全性や堅牢性もトップクラスで、生産コスト面だけが弱点とされてきた日本製品が、新しい機軸を打ち出せないままでいたとき、このような現象が起きてしまった。

 

しかも、日本製品はそれだけ優れた製品にもかかわらず、プレミアム価格をつけることなど到底考えられない。

価格競争の中でむなしく敗れていったのだ。

 

確かにアップルやダイソンが打ち出してきた革新性は「上司説得型マーケティング」からは決して生まれない、というのは理解できる。

マーケティング的にもまともなデータなど引き出せないだろう。

ここにこれまでのマーケティングの限界があるのだ。

 

 

 

つづく