メディア化戦略とブランディングⅣ

「メディア化する企業はなぜ強いのか?」の著者、小林弘人氏は、何故日本の多くの企業が

「今のままでは日本企業が行なうマーケティングは市場を創出できないだろう」

と思われるのか、明確に語っておられる。

 

それは、

― なぜならそれは、「上司説得型マーケティング」だからです。(中略)

「その製品は本当に売れるのか?」という上司からのプレッシャーに対し、説得材料としてかき集められたありきたりなデータが羅列されていくだけです。(中略)

結局、それは「すでにある市場」に帰結し、ちょっとだけ改良された退屈なコモディティーが生み出されるだけです。―

 

この「上司説得型マーケティング」という言葉は、実感を持ってすごくよくわかる。

会議の際に、したり顔の上司による反対意見というのは、いつもこんな形で出され、最終的につまらないレベルに着地するのだろう。

 

事務所経営の私には直接の上司というものはいないが、例えば、業界の会議などで少しでも斬新な意見を述べようものなら、こんな形で封殺されてきた。

私にとっては「斬新」というよりは「当たり前」に近い意見でもそうだったのだから、こういった前に進みにくいという雰囲気は、まさに組織的に日本中に蔓延しているものなのだろう。

 

 

つづく