「惰性」というものの怖さⅣ
さて本題はここからである。
これまで書いてきたように、チラシやカタログなど企業の販促物(販売促進に使用する様々なツール)の作成については、その仕上がりのクオリティーに対して随分厳しく吟味しチェックしてきた。
それは、その都度生じる発注先企業に対する責任もさることながら、一度いい加減なものを納品してしまうと次のリピートがないかも知れない、という強いプレッシャーと緊張感が常にあったからである。
だから、写真やイラスト1枚、コピーライトの一言一言についてもクオリティーが低かったりコンセプトに合わないと思えば、撮り直しや書き直しをさせるのは当たり前のことであった。
そんなキャリアを積んだ私が鹿児島に帰ってからはどうだっただろう?と、今思うのである。
販売促進に関して私が経験した仕事の内容が、どんな風に自分の仕事や地元企業などに反映できたか、を考えるのだ。
鹿児島に税理士として帰ることになり、クライアントをはじめとする地元の企業や自分の業界を見渡して私は少し驚いた。
東京では当り前と思っていた「販促物」がほとんど見当たらなかったからである。
つづく