何故やらない!?Ⅶ

また、顧客の側から見ても、それがそれまで取り扱っていた商材と多少イメージの違うものであれば、そのことを知らしめてもらわなければわからない。

普通、顧客はそれまでのイメージでしか、こちらの事業を見ていないからである。

 

というより、それ以前にそれまでやっていた本業にしても正確に顧客に伝わっているかどうかも怪しいものなのだ。

ましてや、新しい商材やサービスであればなおのこと、こちらからそういった新規の取り組みを始めた、とお知らせしなければ、顧客が知る由もないのだ。

 

以前、私の事務所に司法書士の仕事と間違って訪ねてこられた顧客がいた。

丁寧にお話をお伺いして、その問題は司法書士の範疇であることを説明し、知り合いの司法書士を紹介して引き取ってもらった。

 

私の仕事が、あまり明確には世間に伝わっていないのだな、と自覚した象徴的な出来事であった。

尤も、この顧客の場合、その御相談の内容が、我々の業務にも全く関係のないお話でもなかったので、その後別の形で事務所のクライアントにはなってもらったが。

 

これは極端な例にしても、こちら側の業務内容が顧客に伝わっていないのはよくある話である。

ましてや新しいことにチャレンジしたとすれば、そのことをお知らせしなければまず顧客に伝わることはない。

こんなことは、極めて基本的な話だと思うのだが、案外この基本ができていないのである。

 

 

つづく