私が考える地方企業が取り組むべき販売促進戦略Ⅲ

その価値観が真逆になった典型が「販売促進」であろう、と私は思っている。

かつて、売り手市場だったころは、こちらから消費者に向かって「買ってください」と、お願いする必要など微塵もなかったし、そうしようなどとは思いもしなかったであろう。

 

ものは向こうからお願いして買いに来るものだったからである。

当時、物流を握っている側が極端に強かったのだ。

日本の場合、高度経済成長に伴って、全体的に豊かになった懐(ふところ)をもとに、それまで手に入らなかった「もの」を欲しがる人々が巷(ちまた)にあふれていた。

歴史的に見ても、その期間が結構長かったのである。

 

その比較的長い期間、商売は絶好調であった。

全国津々浦々、商売の旦那衆は大いに儲け、蓄財も怠りなく行なうことができたのである。

 

また、ものだけではなく、様々なサービスについても同様のことが起こった。

税理士にしろ飲食店にしろブライダルにしろ、長い売り手市場の時代が訪れたのである。

 

その時代と今と、両方を知る私にとってそんな恵まれた時代はもうかなり昔の話のような気がするのだが、地方の状況を見ているとその頃の残像からまだ吹っ切れていないように見えて仕方がないのである。

 

 

 

 

 

つづく