判断基準について改めて考えるⅢ
営業の際に何故そう言われるのか。
よく考えてみたら、こちら側、税理士の判断基準が「あなたたちは『損得』が主でしょう。」と、思われているからにほかならない。
しかし、なにも物事の判断基準は「損得」ばかりではない。
このことについては以前にも書いた。
人が物事を判断する際の基準は様々である。
あげて行けばきりがないほどだ。
「損得」・・・「善悪」「正誤」「好悪」「美醜」「高低」・・・我々は、実に多くの判断基準を瞬時に使い分けているのだ。
考えてみれば上記のように相反する基準のどちらかを、或いはどちらよりかを選んでいることになる。
こうやって書いてきて初めて気が付いた。
「損得」以外はいずれも上位と思われる概念の方が前に来ていることがわかる。
善、正、好、美、高・・これらの文字がいずれも対の頭である。
ただ、「損得」だけが「損」が前に来ている。
「得損」とは言わない。
人はよほど「損」をしたくない動物らしい。
「そりゃそうさ!」という声が聞こえてきそうだが、「損得」だけが表に立った判断基準はなんだか味気ない。
「得」することだけが決して上位概念ではないことは、この文字が前に来ていないということろからも想像できる。
つづく