仕事をベクトルで考えるⅡ
という訳で、それぞれの職業が持つ専門性については「一般領域」と対比させる意味で「専門領域」とネーミングしてみた。
この「一般領域」と「専門領域」との比較、或いは関係性について考察したい。
つまり、「全体」としての「一般領域」と「個」としての「専門領域」に分けて考えてみたいのだ。
これらの関係について考えてみることが、現代ビジネス社会を解き明かすことに繋がるのではないか、と思ったからである。
例えば、私の職業である税理士は、「一般領域」に所属する様々な職種のクライアントと顧問契約を結び、税務のエキスパートとしての専門性を提供してきた。
「税務に関してわからないことがあれば、こちらの専門性を提供しますのでどうぞご依頼ください。」
というスタンスをとり、いわばこちらの領域に引き込むベクトルで仕事をしてきたのである。
つまり、税務という「専門領域」をしっかりと守り、
「顧客側からその領域へ入ってくるのであれば、こちら側の専門性をご提供しますよ。」
という姿勢で仕事を行なってきたのである。
その際、「専門領域」はできるだけ限定的に絞るに越したことはなかった。
その方が効率的だったからである。
つづく