税理士の仕事ってⅡ

ところが、「読み書き算盤」まではまだいいとして、その計算の規範となる税法という奴がやたら難しくてややこしい、ときた。

 

せっかく正直に申告し納税する気満々でいるのに、つまらない間違いをやらかして、後で税務署に大目玉を食うのは割に合わない。

大目玉ならまだいいが、罰金を含めた多額の追徴税金でごっそり持っていかれたのでは目も当てられない、と、多くの日本国民は考えた。

 

と、いうような背景があって、その「難しくてややこしい税」の専門家である税理士が珍重されたのである。

つまり、税務申告という「お困りごと」が、しかも国の制度として存在していたので、税理士が大いに腕を発揮できる「場」があった訳だ。

 

税務申告が、それを義務付けられている日本国民にとって、結構「お困りごと」であることは今も変わりはない。

しかし、現在その「お困り度」のハードルは相当下がってきた

 

一つは「濡れ手に粟」のような利益がバンバン出てしょうがない、という時代は確実に終わったということがある。

そういう時代は、黙っていても儲かって仕方ないから税金計算のテクニックにはそこそこ注目が集まった。

 

 

つづく