「自分探し」ってⅠ
作家の百田尚樹氏が著書「大放言」の中で次のようなことを書かれていた。
― 自分を探すバカ
世にも奇妙な会話
会社を辞めたいという若い社員(20代前半)と社長(60代後半)の会話。
社長:「なんで会社を辞めるんや?したいことがあるんか?」
社員:「自分探しの旅に出ます。」
社長:「おまえはここにおるやないか」
社員:「そんなんじゃなくて・・・本当の自分を探すためにインドに行くんです。」
社長:「お前のルーツはインド人か?」
社員:「違いますけど」
社長:「長いこと行くんか?」
社員:「とりあえず半年くらい」
社長:「半年で自分が見つかるんか?」
社員:「さあ」
社長:「自分が見つかったら、何するんや?」
社員:「まだ決めてません」
若者も社長もお互いに、こいつは何を言ってるんだ、という顔をしている。
社長は若い社員の辞める理由が理解できないし、社員は社員で自分の言葉が通じないのに呆れている。―
「自分探し」という言葉あることは知っていたが、さすが作家である。
こんな風に具体的に使われている現場を再現してもらうとなるほど分かりやすい。
分かりやすい、とはいっても、意識としてはほとんどこの社長側である私にとって、若者の発言の真意がよくわかった、という訳ではない。
「こんな感じで使っているのか。」と、理解した程度である。
つづく