常識破りの功罪 ―会計人の業界を参考に考える―Ⅳ(おしまい)
残念ながら私はその委員会には馴染めなかったのだが、別にそこのところはどうでもいい。
ただ、私の見るところでは、その後その委員会から結局新しいコンテンツは出ていない。
そりゃあそうだろうと思う。
これまでにない新しいコンテンツやコンセプトを出さなきゃならないのに、「これまでの常識や形式」でしか対処していないのである。
新しいものなど生まれてくるわけがないのだ。
必要に迫られて新しいコンセプトやアイディアを出さなければならないときは、それまでの常識や形式、やり方を大胆に変えなければならない。
そこのステップを踏まなければ新しいものなどでてくる道理がないのである。
これは我々の業界に限ったことではない。
現状打破が要請されているあらゆる分野、業界において心しなければならない一つの考え方であろう。
そして現在、その「現状打破」が要請されている業界は決して少なくないだろうと思うのだ。
「現状打破」を実現するためには、それに取り組む姿勢、考え方、形式、常識といったものをまず「打破」しなければ始まらない、と私が考える所以(ゆえん)である。
おしまい