ブルゾンとパーカⅧ

寒さを防ぐという点では、ウイリス&ガイガー社のフィールドパーカはかなり強力だった。

そういえば、西暦2000年ミレニアムの元旦を思い出す。

 

この年私たち家族は、たまには変わった正月を過ごそうと、大晦日から元旦にかけてのバスツアーというやつに参加してみた。

午後鹿児島を出発して、長崎のハウステンボスまで行き、ここで年越しのカウントダウンをしようという企画である。

 

真夜中吹きっさらしの真冬の園内は寒いなんてもんじゃない。

子供たちには十分な暖かさを確保して、私は少し厚手のセーターにマフラーと手袋を準備して上から件(くだん)のフィールドパーカを羽織った。

 

園内にはこの時期限定のアイススケートリンクがオープンしていた。

すると、普段引っ込み思案の末っ子の長男が「ぼく滑ってみたい。」と言い出したのである。

小学校1年生か2年生の頃である。

私は、スケートには少々心得があったので、長男を後ろから抱えるようにして滑ったことを思い出す。

 

そのとき、このフィールドパーカは身体の動きを妨げることもなく、充分な暖かさも確保でき、なかなかの優れものということが実感できたのである。

幼かった息子とのいい思い出である。

 

 

 

つづく