人生を豊かにしてくれるものだったらいいのか・・―我が家にアートがやってきた―Ⅶ(おしまい)

散歩の途中、ふと立ち寄った画廊ですっかり魅了されてしまった一枚の絵。

衝動買いするにはあまりの高額なアート作品に、恐る恐るカミさんに購入を打診したところ意外にもOKの返事。

翌日、一緒に買いに行って、購入契約書にサインし、鹿児島の自宅で発送を待つことになった。

 

さて、購入してから約2週間、少し時間はかかったものの、件の絵が我が家に到着した。

慎重に荷を解いて、大事な中身を取り出す。

それまでかかっていた印刷物の絵画をどかして壁にかけてみた。

 

リビングの西側は、比較的広くて真っ白な壁なので、この大きな絵は映える。

こうやって、我が家にアートがやってきたのだ。

 

荷物を解いたのはもう夜だったので、リビングのライトを絵が映えるように調節してみた。

次の日は、昼間の陽光の中で改めて眺めてみる。

 

どちらの光の中でも私が魅了されたあのブルーは、この上なくそのポジションに調和していた。

私が予想した通り、青い空と海が直接見える我が家のリビングに、この絵はぴったりとはまっていたのである。

海の色と合います。

 

考えてみれば、購入する一日前、ふらっと散歩に出た先での出来事だった。

出かけるときに、こんなことになろうとは夢にも思わなかった。

まさに絵にかいたような衝動買いである。

 

普段生活している中、ときどき購入するものとして、最も高価な買い物はやはり車であろう。

一番高価な買い物は家だったが、これは普通一生一回きりだろうと思う。(私はこの年になって今でもローンを払っている。)

 

ま、普通に考えれば、家や車を衝動買いすることはない。

特に私の場合、車については同じ車種(スバルのレガシーといいます)を買い続けているから、なおさら衝動買いということにはならないのだ。

 

以前、ちょっと値の張るコートを購入したことはあったが、これも、セールになるまで我慢した。

しかも車や服は実用品である。

完全に実用品ではないもので、こんな買い方をしたのは初めてのことだ。

 

それにしても、いつも服や靴を買うと、文句たらたらのカミさん(特に靴はうるさい)が、今度は何も言わなかった。

カミさんは案外こういうものには理解があるのかも知れないな、と思った。

 

今回のことで、これまでカミさんが怒っていたのは、きっとお金のことだけではなかったのだろう、と考える。

「人生を豊かにしてくれるものだったらいいんじゃない。」

ということなのだろうか。

 

とはいえ、まあこんな買い物は最初で最後だろうと思うけど。

一枚目の写真を反対から見るとこんな感じ。

そういえば、ステンドグラスというアートも我が家にはありました。

 

おしまい